ソメカレ:ウール染色比較

ウール素材の布地を黒色に染めた場合

コートやニットなど、冬物に多く使われるウール素材。

編み方や織り方が違うそれぞれの生地を染めて、仕上がりを比較してみました。

 

結論:ウール素材は高温で染めると、型崩れや縮みが起きやすい。

ウール素材を含んだ布地 3種類

①ニット帽

素材:ウール100%

性質:2種類の編み方を組み合わせている。

   太目の糸を使用。

②ストール用布地

素材:アクリル53%、ナイロン34%、ウール13%

性質:1枚のストールをカット。

   ハート柄のざっくりとした編み。

③ジャケット用布地

素材:ウール67%、ポリエステル25%、アクリル4%、ナイロン4%

性質:黒地に白のヘリンボーン柄。


染色方法:水温が70℃と90℃の染色液を用意し、それぞれに浸して染めています。
染色方法:水温が70℃と90℃の染色液を用意し、それぞれに浸して染めています。

①ニット帽

  • たての縮みが13%とかなり大きい。
  • 低温での染色では、黒に染まらずグレーの仕上がり
  • 熱により繊維が固まってフェルト状に。ゴワゴワとした固い手触り

②ストール用布地

  • たての縮みが20%とかなり大きいが、よこは10%伸びてしまい、型崩れが起きている。
  • 低温でも高温でも、濃さは変わらず黒には染まらない。
  • 手触りは、多少固くなった印象だが、特に大きな変化はなし。

③ジャケット用布地

  • たては変わらないが、よこへの縮みが6%ほどあった。
  • 黒には染まったものの、柄は残った。
  • 生地感や手触りは、特に変化なし。

ウール素材の衣類を黒色に染めた場合

冬用の衣類には、裏地がついている場合も多く、素材の違いから型崩れが発生する場合もあります。

実際に染めて、裏地の動きや染まりやすさなどを比較しました。

 

結論:表地と裏地とのバランスが崩れ

   着心地が悪くなってしまう。

冬用コート ウール100% 総裏地

Sybilla 1998冬発売 ロングコート

表地:ウール100% 裏地:レーヨン100% ボタン:木製

染色方法:機械で高温の蒸気を当て、回しながら染色。70℃時点で取り出し、再度90℃で染色。
染色方法:機械で高温の蒸気を当て、回しながら染色。70℃時点で取り出し、再度90℃で染色。
 

染色前

染色前→70℃

70℃→90℃
サイズ感

40サイズ(Lサイズ)

少し細身のデザイン

サイズ自体はさほど変わらない。

生地が固くなり、着心地が悪い。

70℃からは特に変化なし。
 生地感

手触りが良くなめらか

少し起毛あり

起毛部分が縮れて、固くゴワゴワした。  生地が重なった部分が波打っている。
裏地

裾部分の縫い付けは手縫い。総裏地。

シワが寄って、裏地全体の収まりが悪い 縫い合わせ部分の折り目がなくなってシワが目立つ。

表地:クリーム色

裏地:サーモンピンク色

表地:紫がかった黒色

裏地:紫色

表地:浅めの黒色

裏地:紫色(変化なし)


まとめ

布地の染め比べや実際の衣類を染めた場合を行った結果、ウール素材は染まったもののあまり良い結果ではありませんでした。

ウール素材は熱に弱いため、少しでも濃く染めようと高い温度で行った場合に、上記のような固くゴワゴワした手触りや衣類系は少し着心地が悪くなる場合が多いのです。

そのため、ウール素材の染色はあまりおすすめしておりませんが、低い温度で薄く染める程度であれば良さそうです。