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反応染料(上級編)

反応染料(上級編)

反応染料で染めることができる、おもな繊維

おもに綿、麻、レーヨン、テンセル、キュプラ、絹等を染める染料。繊維と化学結合して染着するので耐久性に優れた染料。反応染料を繊維と反応させて発色させるためには、アルカリ剤(ソーダ灰など)の添加が必要。


反応染料の染色に使用するもの

反応染料

染料の粉をよく溶かしてから使用します。

硫酸ナトリウム(芒硝:ぼうしょう)

染料を繊維に吸収させます。

炭酸ナトリウム(ソーダ灰)

均染剤

染めムラをなくすための助剤です。

ソーピング剤

繊維と未反応の染料を除去します。

反応染料の染色工程

表にあるように、染色助剤を加えて時間が経過するほどに染料の吸収固着が進んでいきます。

染色 → 水洗い → ソーピング処理 → 水洗い → 脱水・乾燥

【染色処方】

浴比 1:20

60℃×40分

反応染料 ×% o.w.f.

芒硝 50g/L(5% o.w.f)

ソーダ灰 15g/L (1.5% o.w.f)

ソーピング剤 2cc/L (0.2% o.w.f)

クエン酸 1g/L (0.1% o.w.f)


1. 40℃の染液に溶かした「染料」を入れる

 均染剤(使用量:1cc/L) を使用する場合もこの時に入れる

2. しばらくしたら「布地」を入れる

3. 「染料」を入れてから10分経ったら「芒硝」を入れる

  さらに10分経ったら「ソーダ灰」を入れる(ここまで温度は40℃)

4. 徐々に60℃まで昇温する(10分くらいかけて)

5.布地をよく攪拌(かくはん)しながら40分間染める

色ムラが心配なときはこちらがおすすめ!

1.60℃の染液に溶かした「染料」を入れる。

2.しばらくしたら「布地」を入れる。

3.「染料」を入れてから5分経ったら「芒硝」の使用量のうち、2分の1の量を入れる。

4.5分経ったら「芒硝」の使用量のうち、残りの2分の1の量を入れる。

5.15分経ったら「ソーダ灰」の使用量のうち、5分の1の量を入れる。

6.5分経ったら「ソーダ灰」の使用量のうち、5分の2の量を入れる。

7.5分経ったら「ソーダ灰」の使用量のうち、残りの5分の2の量を入れる(ここまで温度は60℃で一定)。

8.布地をよく攪拌(かくはん)しながら40分間染める。

反応染料のソーピング処理

浴比 1:20

100℃×10分間

ソーピング剤 2.0cc/L(0.2% o.w.f)

反応染料のまとめ

項目 説明
化学的組成
結合 共有
性質 アニオン(コロイド溶液となる)
アルカリ
中性塩 長期△
酸を入れると 長期△
特徴 汗/日光堅牢度、塩素処理水堅牢度に優れる
染色温度 ・ 浴比 ・ 芒硝量 ・ アルカリ量の変動に影響されにくい
浴比

染色濃度と助剤の量

染色濃度 ~1% 1~3% 3~6%
芒硝 30g/ℓ 50g/ℓ 70g/ℓ
ソーダ灰 10g/ℓ 15g/ℓ 20g/ℓ
均染剤 1cc/l 1cc/l 1cc/l
ソーピング剤 2cc/l 2cc/l 2cc/l

反応染料の製品例

製品名 メーカー名
Sumifix Supra Yellow 3RF 150% gran 住化ケム
Sumifix Supra Brill. Yellow 3GF 150% 住化ケム
Sumifix Supra Brill.Red 3BF 150%gran 住化ケム
Sumifix Supra Blue BRF 150% gran 住化ケム
Sumifix Supra Navy Blue BF gran 住化ケム
Sumifix Turquoise Blue G(N) conc. 住化ケム
Sumifix Supra Scarlet 2GF 150% gran 住化ケム
Sumifix Black EX conc 住化ケム

その他にもたくさんメーカーと種類があります。