顔料の吸尽染色
顔料は繊維に近づく性質がないため、繊維を特殊な加工剤で前処理することにより染料の手法のように顔料で着色することができます。
これを顔料の吸尽染色といいます。
染料とは一風違った風合いの着色製品が出来上がります(ただし顔料染めは器具や作業場が汚れます。ご注意ください)。
以下はその手順を説明します。
顔料吸尽染色 工程の概要
前処理 | 吸尽染色 | 後処理 |
繊維をカチオン化(※1)します。 | 顔料を水に分散させた液で着色します。 | 液体バインダー(※2)で顔料を繊維に固着させます。 |
※1 カチオン化
繊維に+(プラス)の電気を帯びさせることで顔料を繊維に近づきやすくさせる処理。直接染料を定着させる後処理のフィックス処理(Fix処理)と同じ原理。
今回はカチオン化剤の「エフェクター DS-2C」を使用しています。
※2 バインダー
バインダーとは顔料を繊維に固着させるための接着剤のようなものです。今回はアクリルバインダーの「バインダー 518」を使用しています。
顔料吸尽染色の工程
Tシャツ120gの吸尽染色例です
◆使用した顔料・助剤
・シンロイヒ水性蛍光顔料
・エフェクター DS-2C(カチオン化剤)
・バインダー 518(固着剤)
・デスパート NO-F(精練剤)
・ソーダ灰(アルカリ)